2016年12月31日土曜日

[動画編集] VEGAS Pro 14.0 を使ってみました

How is VEGAS Pro 14.0

2016年9月、動画編集ソフト VEGAS Pro 14が発売され、同年12月にソースネクストが販売を開始しました。
VEGAS Pro 14は低価格でありながら豊富なエフェクトを備えた動画編集ソフトです。
さっそく使ってみたので主な特徴をまとめてみました。
blog.fujiu.jp VEGAS Pro 14.0 を使ってみました


環境

  • Windows 10
  • VEGAS Pro 14 Build 191


前バージョンからの変更点

翻訳が間違ってたらすいません。
  • ホバースクラブテクノロジーによりビデオクリップ内の映像を探しやすくなった
  • HD画質のビデオを4K解像度にアップスケールできるようになった
  • REDカメラがサポートされた
  • ベロシティが40倍速まで対応した
  • スマートズームにより拡大した映像の品質が上がった
  • インターレースを解除して高画質化する機能をサポートした
  • ビデオやオーディオのイベントを自動でグループ化するスクリプトをサポートした
  • プロジェクトのサンプリング値がタイムラインのイベントに適用されるようになった
GUIや操作方法に大きな変化はなく、前バージョンかの利用者なら戸惑うことはないと思います。


注意するべきスプラッシュスクリーン

スプラッシュスクリーンの右上のライセンス被許諾者にアクティベーション時に登録した自分のメールアドレスが表示されます
シリアル番号を表示するVEGAS Pro 13に比べたらセキュアになりましたが、勉強会など大勢の前で見せる際は事前に写真撮影しないように告知するなど注意が必要です。


ASIO規格に対応

ASIO規格に対応しているオーディオインターフェイスがあればASIOドライバーで動作させることができます。
ASIOはWindows標準オーディオドライバーに比べると音質の変化が少なく、CPU負荷が少ないとされています。


MIDIコントローラーに対応

VEGAS Pro 14はMIDIコントローラーのボタンやノブを各操作に割り当てることができます。
設定次第ではマウスの操作より便利になります。
設定方法は次の通り。

オプションメニューの外部コントロールをオンにします。

オプションメニューの ユーザー設定 から MIDI タブの「次のデバイスをMIDI入力に使用できるようにする」をオンにします。

外部コントロール & オートメーション タブで標準コントロールを追加し

アクティブなコントロールデバイスをダブルクリックすればMIDIコントローラーを各操作に割り当てることができます。
学習にチェックをつければMIDIラーンもできます。


VSTオーディオエフェクトに対応

VEGAS Proはオーディオエフェクトが付属していますが、サードパーティのVST規格のオーディオエフェクトを使うこともできます。

必要に応じてオプションメニューの ユーザー設定 から VSTプラグインのDLLファイルがインストールされているフォルダーを追加設定します。


旧バージョンのプロジェクトは開けるか

VEGAS Pro 13で作ったプロジェクトはVEGAS Pro 14で開いて編集するくことができました。
ただしVEGAS Pro 14で保存したプロジェクトは旧バージョンで開けないようで、上書き保存する際には警告が表示されます。



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以上、参考になれば幸いです。

2016年12月24日土曜日

HALion5 と HALion Sonic2 の収録内容の違い

The difference HALion5 and HALion Sonic2

2016年11月、Steinbergがソフトウェアシンセサイザーのバンドル製品・ABSOLUTE2を期間限定で3割引きで販売しました。
前代未聞のセールのため購入された方は多いと思います。
ABSOLUTE2に含まれるシンセはそれぞれコンセプトが異なるのですが、HALion5 と HALion SONIC2 はそっくりです。
この二つのソフトシンセを比べて収録内容の違いをまとめてみました。
blog.fujiu.jp HALion5 と HALion Sonic2 の収録内容の違い


環境

  • Windows 10
  • CUBASE Pro 8


プログラムの収録に差がある

HALion5 と HALion SONIC2 のプログラム(音色)はほとんど共通です。
プログラムの名前が同じならどちらも同じ音です。
ただし、HALion5の方が200ほど多くプログラムが収録されています。

例えばギターカテゴリーの「Real Jazz Guitar Solo」はHALion5のみに収録されています。
このプログラムについて調べてみました。


HALion5は生楽器らしい工夫が施されている

「Real Jazz Guitar Solo」は1オクターブくらい離れたノートを弾くと「キュッ」っというフィンガーノイズが再生されます。
また、ピッチベンドホイールを少し下げた状態でノートをオンすると1フレット下からのスライド奏法、大きく下げた状態では2フレット下からのスライド奏法のサンプルが再生されます。
ピッチベンドホイールを上げた場合は音程が上がり、チョーキング奏法を表現できます。
これらのサンプルのおかげで本物のギターソロらしい演奏ができます。

同じくHALion5のみに収録されている「Real Acustioc SteelBass」はサスティーン中に弦がフレットに当たるビビリ音が再生されるのですが、ベロシティ(弾く強さ)によって異なるビビリ音が再生されます。
HALion5はHALion SONIC2より多くのサンプルが収録され、より生楽器らしい演奏ができるようです。


HALion Sonic SEは別シンセ

CUBASEなどに付属する HALion SONIC SE はHALion5や HALion SONIC2と別物です。
CUBASEがインストール済みの環境にABSOLUTE2をインストールしてもHALion SONIC SEは上書きされません。



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[CUBASE] グループチャンネルとFXチャンネルの違いと使い分け

以上、参考になれば幸いです。

2016年12月17日土曜日

[CUBASE9] ボーカロイドをAudio-Insする方法

How to send audio signals to Audio-Ins

CUBASE Pro 9とCUBASE Artist 9はAudio-Insが実装され、サイドチェイン対応VST3インストゥルメントにオーディオをセンドできるようになりました。
Audio-Insを使ってボーカロイドの歌声をRetrologue2のフィルターやエフェクトをかける方法を試してみたのでその手順をまとめました。
blog.fujiu.jp [CUBASE9] ボーカロイドをAudio-Insする方法


環境

  • Windows 10
  • CUBASE Pro 9
  • VOCALOID4 Editor for CUBASE (以下、ボカキュー)


Retrorogue2のSide-Chainを有効にする

Retrorogue2のインストゥルメントトラックを追加します。

Retrorogue2の画面上部にあるSide-Chainを有効にするボタンをクリックします。オレンジ色に点灯すれば有効です。

Side-Chainを有効にすると OSCILLATOR MIX にINPUTつまみが増えるので最大値に設定します。


ボカキューの出力先をRetrologue2のSide-Chainに設定する

ボカキューのトラックを追加します。

チャンネル設定を開きます。インスペクターから開く場合は「e」のボタンをクリックします。
出力を SuidSide-Chain Retrologue に設定します。

以上で設定は完了です。


Retrologue2のノートをオンにするとボーカロイドがAudio=Insされる

プロジェクトを再生すると Retrologue2のノートをオンにしている間だけ ボーカロイドの歌声がRetrologue2から出力されます。
オンにするノートの音階はどれでもいいようです。
デフォルトではRetrologue2のノートをオンにするとRetrologue2のオシレーターが発音されるので、オシレーターをすべてオフにします。

SHAPEをLP12、RESONANCEとDISTORTIONを50%くらいにしてボーカロイドの歌唱中にCUTOFFを上げたり下げたりするとアナログ感のあるローファイな効果が得られます。
フィルターのEnvelopeとノートオン・オフを駆使すればボカキューだけでは得られない効果が作り出せます。
Retrologue2のエフェクトをかけることもできます。

今回は出力先をRetroogue2にしましたが、チャンネル設定のSendsでパラレルに出力すれば原音とミックスすることができます。


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以上、参考になれば幸いです。

2016年12月10日土曜日

CUBASE Pro 9 で変わった点

Available now, Cubase 9

2016年12月、CUBASEの最新版・CUBASE 9がリリースされました。
早速インストールしてみたので新しく変わった点の一部をまとめました。
blog.fujiu.jp CUBASE Pro 9 で変わった点


環境

  • Windows 10
  • ASIO対応オーディオインターフェイス


入手方法はダウンロード限定

店頭でCUBASE9のパッケージを買ってもDVD-ROMは付属せず、同封のダウンロードアクセスコードをWebサイトに入力してインストーラーをダウンロードする方法になりました。
インストーラーはWindows用・Mac用ともに10GBを超える容量で圧縮されています。


旧バージョンと共存するとretrologueが上書きえる

CUBASE Pro 8や8.5など旧バージョンがインストールされているPCにCUBASE Pro 9をインストールしたのですが、旧バージョンは上書きされずに残りました。
CUBASE Pro 9で刷新されたエフェクトプラグインはCUBASE Pro 8や8.5では旧バージョンのものが起動します。
ただしCUBASE Pro 8のretrologueはretrologue2に上書きされました。
旧retrologueを使っている環境に、将来公開されると思われるCUBASE Pro 9体験版をインストールすると、体験版期限後にretrologue2が使えなくなるかもしれないので要注意です。


旧バージョンの設定を自動で引き継ぐ

CUBASE Pro 9初回起動時に旧バージョンがインストールされていると、最近開いたプロジェクトの履歴などを引き継いでくれるようです。


付属シンセサイザーは追加なし

CUBASE8.5から追加されたVSTインストゥルメントはありません。


リニアフェイズイコライザー・Frequency EQが追加された

CUBASE7からCurveEQというサードパーティ製リニアフェイズイコライザーがバンドルされていますが、CUBASE Pro 9はSteinberg製のFrequency EQというリニアフェイズイコライザーがバンドルされるようになりました。
Mid/Side対応でCurveEQより高度なミキシングができそうです。
位相の進み・遅れを補正するリニアフェイズのためか、レイテンシーがあるようです。


MixConsoleの操作を元に戻せるようになった

MixConsoleのフェーダーやパンなどの操作が履歴に残るようになり、操作する前の状態に戻す機能が追加されました。

キーボードショートカットも設定できます。


Maximizerが刷新された

旧CUBASE付属のMaximizerは個人的にリリースに不自然さを感じてました。
CUBASE9のMaximizerはアルゴリズムが刷新され、modernモードではリリースタイムなどを指定できるようになり細かい調整ができるようになりました。


ボカキューが使える

VOCALOD4 Editor for CUBASE (通称 ボカキュー)はCUBASE Pro 9でも使えます。


その他の変更点

  • プロジェクトウィンドウが刷新されインターフェイスがMDIからSDIへ変わった
  • サンプラートラックが追加されGroove Agent SEを使わなくてもオーディオ素材の音程を変えてMIDIトリガーで再生できるようになった
  • オーディオトラック用サンプルライブラリー Caleidoscope が追加された
  • VST 3 インストゥルメントプラグインにオーディオをSendできる Audio-Ins が実装された
  • Groove Agent SE用MIDIループ集 Production Grooves が追加された
  • エフェクトプラグイン・AutoPan のUIと機能が刷新された
  • エフェクトプラグイン・Brickwall Limiter、Compressor、Expander、Gate、Envelope ShaperのUIが刷新された


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以上、参考になれば幸いです。

2016年12月3日土曜日

[Windows] Visual C++で簡易スクリーンセーバーを作る方法

How to create simple screen saver

Windowsは一定時間キーボードやマウスを操作しないとスクリーンセーバーが起動し、モニターの焼き付きを防ぐ機能があります。
スクリーンセーバーは一定時間経過しないとを起動しないので、任意のタイミングでモニターへの信号を遮断する簡易的なスクリーンセーバーを作ってみました。


環境

  • Windows 10
  • Visual Studio 2015 Community
    ※Windows XPとVisual C++ 2008 Expressで作ったものをビルドし直しただけ


Visual Studio 2015にVisual C++ インストールオプションを追加する

Visual Studio 2015 は初期設定のままではVisual C++がインストールされませんでした。
Visual C ++ 2015用の共通ツールを追加インストールしました。
blog.fujiu.jp Visual C++で簡易スクリーンセーバーを作る


Win32 コンソール アプリケーションとしてプロジェクトを作る

プロジェクトはWin32 コンソール アプリケーションとして作ります。

アプリケーション設定は初期設定のまま進めます。


処理内容

プログラムが起動したらモニターへの信号を遮断し続けます。
モニター信号の信号はSendMessage関数を使います。
0.1秒くらいマウスを動かし続けるとモニター信号の遮断を停止しアプリが終了します。
標準ライブラリーだけでできました。
Releaseビルドしてできたexeファイルへのショートカットをタスクバーにピン留めすればワンクリックで省エネできます。

SendMessage関数を使っているところだけ記載します。

EcoMoni.cpp


全ソースはGitHubにプッシュしました。
https://github.com/mtk-f/EcoMoni/tree/master/EcoMoni


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以上、参考になれば幸いです。