2013年11月16日土曜日

[Android] ストップウォッチアプリの表示をC言語でスムーズに改造する

The simple stopwatch application for Android
前回のストップウォッチアプリ は、経過時間の表示がカクカクになることがあります。

経過時間の文字列を表示するため Handler#handleMessage メソッドの中で
ByteArrayOutputStram

PrintStream
のインスタンスが1秒間に数十回メモリーのヒープと呼ばれる領域に確保されます。表示後はインスタンスが不要になります。
Javaの仕様により不要になったインスタンスがある程度たまるとヒープから解放する処理が行われます。
(解放されたメモリーは別のインスタンスの確保などに再利用されます)
この処理はGC(ガーベジコレクター、ガーベジコレクション)というものですが、GCの処理は意外と時間がかかるようです。
Android OSのバージョンにもよりますが、GCが完了するまでそれ以外の処理は一時停止されます。

前回のアプリは数秒ごとにGCが発生するため表示がカクカクする原因になっていました。
そこで表示をスムーズにする方法を考えてみました。

C言語ではメモリーの解放処理をプログラムする必要がありますが、GCの対象にはならないので表示をスムーズにできると予想できます。
その結果、経過時間の文字列はJavaではなくAndroid-NDKによるC言語で処理することにしました。

このブログを書いている時点の開発環境は次の通りです。
・Windows8 (64bit)
・Eclipse Juno (32bit)(XP互換モードで起動)
・Android SDK r22.2
・Android NDK r9

以下ソースです。
MainActivity.java (アクティビティ)

※初期化漏れがあったので修正しました。2014年6月16日

jni.cpp


Android.mk


※特別な権限(Permission)は不要なのでマニフェストは省略します。
Target SDK Version が4以上の設定でビルドできます。
Android1.6以降で動作します。
Android-NDKのビルド方法は環境に強く依存するので省略させて頂きます。
SH-03C(実機)とBluestacks(エミュレーター)で動作することを確認しています。

動作保証はできませんが最低限の動作はするようです。
前回に比べてレイアウトを少し変更してます。
アプリ動作中のスクリーン消灯もオフにしています。

GCの頻度を減らしただけですがJavaだけで作ったアプリに比べてかなりスムーズになりました。
今回のC言語のプログラムはスタック変数しか使ってないので解放処理が不要でした。

Javaはメモリーの解放処理が(完全ではないものの)GCにより自動化されているため、プログラムしやすい言語です。
その反面、GCを完全になくすことはできません。
AndroidアプリでGCを減らしたい場合、GCが多発する処理をAndroid-NDKによるC言語でプログラムするのもいい方法だと思います。

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以上、参考になれば幸いです。

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