ピアプロスタジオの64bit版が公開されたので早速使ってみました。
※入手方法はこちらのサイトをご覧下さい。
http://piaprostudio.com/?p=3243
このブログを書いている時点の環境は次の通りです。
・Windows8 (64bit)
・ピアプロスタジオ 1.0.0 (64bit、32bit)
・CUBASE7.0.5 (64bit)
・StudioOne ARTIST piaoro edition 2.6.2 (32bit)
・nVidia GeForceグラフィックスコントローラー
など
ピアプロスタジオとは何か?
KAITO V3を入力編集し歌声を出力するためのアプリケーションです。過去に KAITO V3 とピアプロスタジオ を書かせていただきました。
VSTプラグインなので単体では使用できません。ホストとなるDAWアプリケーションが必要です。
DAWアプリケーションはKAITO V3に付属する「StudioOne ARTIST」や市販のCUBASE7等があります。
KAITO V3付属の「StudioOne ARTIST」は32bit(x86)なので32bit版ピアプロスタジオでなければ使えません。
64bit版ピアプロスタジオを使うにあたり64bitのCUBASE7で動作させてみました。
※64ビットWindows用StudioOne ARTISTはPreSonusのユーザー登録後 https://my.presonus.com/auth/login からダウンロードできました。
インストールと初期設定
インストールするためダウンロードしたファイルを解凍してsetup.exeを実行します。インストールを進めてエンドユーザー使用許諾契約書に同意すれば完了します。
インストール後、各ファイルは
C:\Program Files\VstPlugins
に保存されているはずです。
「Mutant VSTi」もインストールしてみました。
CUBASEで使えるように設定します。
CUBASEを起動し適当にプロジェクトを作ります。メニューの
デバイス - プラグイン情報
を開きVSTプラグインのパスボタンをクリックします。
C:\Program Files\VstPlugins のパスがなければ追加してください。
プラグイン情報の更新ボタンをクリックします。
「Piapro Stuido VSTi」が追加されているはずなので左のチェックボックスをクリックしてレ点を入れます。
これでピアプロスタジオを使う準備が整いました。
ピアプロスタジオを使う前に仕様に注意しましょう。
・起動できる数は1つだけ
・16マルチアウトに対応
この仕様のおかげでCUBASEのインストゥルメントトラックにピアプロスタジオを割り当てると、ピアプロスタジオのトラックを2トラック以上作れません。
そしてCUBASEのインストゥルメントトラックはマルチアウトのVSTプラグインを割り当てても1チャンネル目のステレオアウトしか出力しません。
というわけでCUBASEでピアプロスタジオのメリットを最大限に引き出すためにはインストゥルメントトラックを使うべきではありません。
ピアプロスタジオはVSTインストゥルメントに割り当てましょう。
メニューの
デバイス - VSTインストゥルメント
を開き、ピアプロスタジオを割り当てます。
後で「ピアプロスタジオの音が出ない」なんてことがないように「e」と「Piapro Studio VSTi」の間の部分をクリックしてアクティブなアウトプットの全出力を有効化をクリックします。
プロジェクトウィンドウに16トラック追加されます。
これで16マルチアウトのチャンネルごとに個別のミキシングができるようになりました。
※ピアプロスタジオのマルチアウト設定はトラックをダブルクリックすると表示されるピアノロールの左側にあります。
これでピアプロスタジオを思う存分使い倒す準備ができました。
実際に使ってみると32bit版に比べて64bit版の方がCPU負荷が遙かに小さくなってます。
次の画像はピアプロスタジオ使用時のパフォーマンスメーターです。
上が64bit版をCUBASEで使用中の負荷、下は32bit版をStudioOneで使用中の負荷です。
32bit版はメーターが振り切れることさえありますが、64bit版はメーターが動く幅はごくわずかです。
KAITO V3以外のボーカロイドも使えるか?
現在のバージョン1.0.0では使えません。ただし近日発売予定の初音ミクV3は対応予定とのことです。そのときはさらにバージョンアップが必要になるかもしれません。
ボカキュー(VOCALOID Editor for CUBASE)との同時使用はできるか?
エラーダイアログなどは表示されませんが、まともに動作しません。ボカキューとピアプロスタジオのどちらかが歌うともう一方が歌わなくなってしまったり、両方とも歌わなくなってしまったりと実用に耐えません。
同時使用するべきではありません。
「MIDIモディファイアのフリーズ」をするとどうなるか?
何も起きません。「MIDIモディファイアのフリーズ」をしてもピアプロスタジオに入力した内容をCUBASEのMIDIパートに変換できないことが分かりました。
動作は安定しているか?
環境や設定に依るようです。Mtkの環境ではDynamicsなどのコントロールパラメーターを編集していると頻繁にクラッシュしました。
描画エンジンの設定をOpenGLからDirectXに変更してからは安定しています。
環境(特にグラフィックスコントローラー)によってはDirectXよりOpenGLの方が安定するかもしれませんし、WindowsGDIに設定しないと正しく表示されないかもしれません。
DirectXに設定するには
・DirectX9.0cに対応のハードウェアを使用していること・PCにDirectX9.0c エンドユーザー・ランタイムがインストールされていること
の条件が必要です。この条件を満たしていないPCはDirectXに設定することが出来ません。
最近のハードウェアならDirectX9.0cに対応していることが多いと思います。ただし、Windows8にはDirectX9.0c エンドユーザー・ランタイムはインストールされていません。
マイクロソフトダウンロードセンターで検索し、インストールしてください。
http://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=35
まとめ
ピアプロスタジオ V1.0.0 の特徴を簡単にまとめると・ホストDAWと同期できるKAITO V3専用シーケンサーVSTプラグイン
・VSTプラグインだがウィンドウのサイズ変更が可能
・VOCALOID3 Editorに比べると歌詞の入力がしやすい
・VOCALOID3 Editorと違って歌声を再生しながらノートや各パラメーターを編集できるので作業効率がいい
・ホストDAWから編集することはできないのでRewireの操作感に近い
・MIDIキーボードを使ったリアルタイム入力やステップ入力はできない
・*.midファイルのインポートはできる
・VOCALOID3 Editor用ジョブプラグインは使えない
・32bit版より64bit版の方がCPU負荷が少ない
といったところです。
ピアプロスタジオは公開から今に至るまで何度もバージョンアップが繰り返されました。不具合があっても将来のバージョンアップで改善されるでしょう。
そして最大のメリットは別売りのVOCALOID3 Editorを買わなくてもKAITO V3の編集ができると言うことです。
(KAITO V3付属のTiny VOCALOID3 Editorは入力できる小節は17小節まで、Undo/Redo[元に戻す/やり直し]が1回のみという制限があります)
もうすぐ発売予定の初音ミクV3にも期待できます。
日本語と英語 |
日本語のみ |
日本語と英語 |
[VOCALOID] ピアプロスタジオをStudioOneなしで起動する
[VOCALOID][StudioOne] KAITO V3 とピアプロスタジオ
[VOCALOID Editor for CUBASE] ボーカロイドをMIDIキーボードで入力する
VOCALOID Editor for CUBASE(ボカキュー)で何が変わるか?
[VOCALOID] CUBASEで「ぼかりす」(VocaListener)っぽいことをする
[VOCALOID] VSTプラグインでVOCALOIDの声を聞きやすくする
[VOCALOID] StudioOneFreeでVOCALOIDの声を聞きやすくする
VOCALOID Deactivation Tool を使ってみました
[VOCALOID] 洛天依が届くまで
[VOCALOID] 洛天依を歌わせるには
[VOCALOID] VOCALOID3 Editor
[VOCALOID] VOCALOID2に英語の歌詞を流し込む(打ち込む)
[CUBASE] CUBASE7のインストールとトラブル
[CUBASE] 「突然音が出なくなった」を解決する
[Windows] オーディオ再生中にノイズが鳴る
以上、参考になれば幸いです。
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。