VOCALOID Editor for CUBASE を使ってみました。
このブログを書いている時点では次の環境で使用しています。
・Windows8 64bit
・CUBASE7.0.1 64bit
・VOLCAOID Editor for CUBASE 1.0.1.22 64bit
VOCALOID Editor for CUBASE を使ってみてVOCALOID3 Editorと大きく変わった点をまとめてみました。
CUBASE7のMIDI編集機能が全て使える
VOCALOIDトラックのパートをキーエディターで編集すればCUBASEのMIDI編集機能は全て使えます。ロジカルエディターも使えます。
下の画像はキーエディターでコントロールパラメーターにサイン波を描いたものです。
キーエディターを編集するとVOCALOID Editor for CUBASEに反映されます。
ノートとコントロールパラメーターを一緒に移動できる
CUBASEではキーエディターの「コントローラーを自動選択」をオンにしておくとノートと一緒にコントロールパラメーターを移動することができます。VOCALOID3 Editorではノートを移動してもコントロールパラメーターは移動できません。
ノートが重なっていても歌ってくれる
VOCALOID3 Editorではノートが重なっていたらエラーメッセージが表示され再生することができませんが、VOCALOID Editor for CUBASEは歌ってくれます。下の画像は「を」と「よ」のノートが重なってしまい他のノートと色が異なっています。
この状態で再生するとちゃんと歌ってくれます。 ※後に発音しないことがあることを発見しました。
VSTエフェクトはほぼ無制限
VOCALOID3 EditorのVSTエフェクトのスロットは1チャンネルにつき2個、リターンチャンネルに2個しかありませんでした。CUBASEでは1チャンネルあたり8スロットあります。Fxチャンネルやグループチャンネルを使えばそれぞれVSTエフェクトをインサートできるので、殆ど制限がありません。
さらにCUBASE7の各チャンネルは5種類のチャンネルストリップ(ミキサー備え付けのコンプレッサーやイコライザーなど)を備えています。
下の画像はVOCALOIDのチャンネルのVSTスロットにDeEsserとCompressorをインサートし、チャンネルストリップのEQをかけ、リバーブ専用のFxチャンネルにセンドしている様子です。
VOCALOIDは音量が小さいのでプリゲイン(画像左下付近の赤いツマミ)を上げるとミキシングしやすいです。
歌詞付の楽譜を表示できる
VOCALOID Editor for CUBASEのパートをスコアエディターで開いたら楽譜が歌詞付で表示できました。CUBASEのキーボードショートカットやマクロが使える
キーエディターではCUBASEのキーボードショートカットやマクロがそのまま使えます。MIDIキーボードで入力する場合、「クオンタイズ」と「オーバオラップを解消(モノ)と「オーバーラップを解消(ポリ)」をマクロに登録してキーボードショートカットに割り当てておくと便利です。
CUBASEのミキサーでミキシングできる
CUBASE7のミキサーは最大+12dBまで扱えるのでミキシング作業に集中できます。
※完成時には0dB以下に収まるようにミキシングするべきです。
英語・中国語・韓国語のライブラリーも動作する
巡音ルカの英語、SeeUの韓国語、洛天依の中国語は動作しました。スペイン語のVOCALOIDライブラリーも動作するはずですが、持ってないので試してません。
下の画像はSeeUを韓国語で歌わせたキーエディターです。このパートをスコアエディターで開くとはんぐる文字の歌詞が表示されます。
ジョブプラグインが使える
VOCALOID Editor for CUBASEでは全てではありませんが、ジョブプラグインが使えます。コントロールパラメーターをなめらかにする「Parameter Smoother」はCUBASEにない機能なので重宝します。
※「Parameter Smoother」はVOCALOID STOREから無料でダウンロードできます。
http://shop.vocaloidstore.com/index.php?gOo=goods_details.dwt&goodsid=5671&productname=
ユーザー自身でアクティベーションを解除できる
VOCALOIDライブラリーのインストールには制限があり、別のコンピューターにインストールし直すには販売元に制限解除を依頼しなければならないケースがあります。販売元が営業中でなければ制限解除してもらえないので何度か不便な思いをしたことがあります。
VOCALOID Editor for CUBASEはユーザー自身でアクティベーションを解除することができるディアクティベーション機能が付属しています。
ディアクティベーションは全てのVOCALOIDライブラリーに付属して欲しい機能です。
いくつかの制限もありました。
MIDIキーボードを弾いても歌わない (2013年2月2日追記)
リアルタイムでの発音はできないようです。
MIDIキーボードでリアルタイム入力するには小細工が必要です。
[VOCALOID Editor for CUBASE] ボーカロイドをMIDIキーボードで入力する
一部のジョブプラグインが動作しない
ジョブプラグインの「Export VSQ」が起動しませんでした。「ぼかりす」(VocaListener)も動作しないと公式にアナウンスされています。(2013年1月時点)
ただしVariAudioを使えば「ぼかりす」っぽいことができます。
[VOCALOID] CUBASEで「ぼかりす」(VocaListener)っぽいことをする
ライセンスのアクティベーションはネット認証のみ
アクティベーションの識別にはハードディスクかネットワークアダプターを使用します。SteinbergのeLicenserでのアクティベーションはできません。
キーエディターで歌詞の入力はできない
歌詞の入力はVOCALOID Editor for CUBASEでしかできないようです。「歌詞の流し込み」機能はVOCALOID Editor for CUBASEにあります。
対応DAWはCUBASEのみ
SONAR・ProTools・Studio Oneなど他のDAWには対応してません。対応予定も無いようです。古いCUBASEで動作するか?
CUBASE 6.5.4 64bitで起動しました。ただし動作保証されていません。◆まとめ◆
VOCALOID3 Editorではマウスで入力するかSMFファイル(MIDIファイル)をインポートするしかノートを入力する方法がありませんでした。
VOCALOID Editor for CUBASEではCUBASEの機能で入力できるようになりました。
VOCALOIDの歌声を再生しながらCUBASEのオーディオエンジンで編集できるようになりました。
Mtk個人の感想ですが、VOCALOIDの歴史の中で最も大きなパラダイムシフトだと思います。
VOCALOID Editor for CUBASEを使った後にVOCALOID3 Editorには戻りたくありません。
ですが作曲の才能を変化させてくれるものではありません。
※1
ブログ公開後に検証したところ-5dBを超えるとクリッピングするのは個人的な環境によるもので、VOCALOID3 Editorの仕様ではありませんでした。
下の画像のように
・VOCALOID3 Editorのミキサーのボリュームフェーダーを5.0以上に設定
・VSTスロットに「W1 Limitter」をインサートしThresholdを-30dBに設定
の条件で「W1 Limitter」のCeillingを-5dB以上に設定した場合にクリッピングが起こります。 訂正するとともにお詫び申し上げます。(2013年1月26日)
関連ブログ
[VOCALOID Editor for CUBASE] ボーカロイドをMIDIキーボードで入力する
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以上、参考になれば幸いです。