CUBASE7からミキサーがチャンネルストリップが統合されたMixConsoleに刷新されました。
チャンネルストリップはダイナミクス系のエフェクトが多数使えるようになってます。
なぜかVintageCompressorはレイシオが設定できません。
コンプレッサーというからにはレイシオは1以上∞未満の値が設定されているはずです。
環境
・Windows版CUBASE Pro 8コンプレッサーとは何か?
CUBASE付属のコンプレッサーは音量を揃えるようにボリュームの上げ下げの操作をしてくれるようなエフェクターです。上手に設定すれば小さい音はそのままに、音の大きい部分を小さくして音量を揃えてくれます。
人間の声は音量変化が大きく録音すると聞き取りにくくなることが多いのですが、コンプレッサーで音量を揃えると劇的に聞き取りやすくなることがあります。
コンプレッサーは聞こえ方に大きく影響するので、各社からハードウェアやDAW用プラグインが多数発売されています。
レイシオ・スレッショルドとは何か?
VintageCompressorはInputで入力された音の音量全体を調整し、Outputで音量を揃えることが出来ます。Atackは音量が「あるレベル」を超えたら音量を下げるまでの時間、Releaseは音量が「あるレベル」を下回った時に元の音量に戻すまでの時間です。
「あるレベル」をスレッショルド(threshold)と呼びます。
レイシオ(Ratio)はスレッショルドを超えたレベルをどれくらいの比率で下げるかのパラメーターです。
スレッショルド値を調べる
VintageCompressorはスレッショルドとレイシオが公開されてません。スレッショルドとレイシオは固定値であると仮定し、スレッショルドの値を調べるとことから始めます。
CUBASEにオーディオトラックを追加してVintageCompressorを有効にし、TestGeneratorプラグインをインサートします。
これでTestGeneratorから出力された音源がVintageCompressorを通って出力されます。
VintageCompressorのInputを0.0dBに固定して、チャンネルのメーターがTestGeneratorの出力レベルと同じになるようにOutputを調整します。
出力レベルが大きいとスレッショルドを超えてコンプレッサーがかかってしまうので-12dBで調整しました。
その結果、Outputを+3.0dBにしたら出力が同じになりました。
次にestGeneratorの出力レベルを上げてスレッショルド値を探ります。
TestGeneratorの出力を-10.50dBにすると、チャンネルのメーターが-10.6dBと表示されコンプレッサーがかかりはじめます。
TestGeneratorの出力が-10.40dBまでは出力レベルとメーターが一致します。
VintageCompressorのスレッショルドは-10.50dBと仮定します。
レイシオを探る
TestGeneratorの出力レベルを0dBまで上げたらチャンネルのメーターは-3.8dBでした。チャンネルストリップのVintageCompressorをStandard Compressorに変更します。Standard Compressorはスレッショルドやレイシオを指定でるコンプレッサーです。
入力と出力のレベルを同じにするためにスレッショルドを最大にしてメーターを確認したところ、MakeUp Gainを+3.0dBにする必要がありました。
スレッショルドを-10.50dBに設定し、レイシオを調整してメーターのレベルが-3.8dBになる値を探します。
結果、レイシオが1.87:1の時に-3.8dBになりました。
というわけでVintageCompressorのInputが0dB、Outputが+3.0dBの時のレイシオは約1.87という結果になりました。
今回はVintageCompressorのスレッショルドとレイシオは固定と仮定しましたが、マニュアルによると「入力ゲイン設定を上げて出力ゲイン設定を下げると、圧縮幅が大きく」なるとのことです。
レイシオが2以下というのはコンプレッサーの効き具合が浅めだと思うのですが、Outputを大きくしたせいだと思います。
スレッショルドやレイシオを知っていると他のコンプレッサーでスレッショルドとレイシオを同じ設定にすればVintageCompressorに近い効果が得られると思います。
また、スレッショルドやレイシオが不明なコンプレッサープラグインについても同じ方法で調べることが出来ます。
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以上、参考になれば幸いです。
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