バージョンアップする前から気にある点がいくつかあったのでまとめてみました。
環境は次の通りです。
・Windows8 64bit
・CUBASE7.5 64bit
インストール方法
1.eLicenser Control Centerの最新版をダウンロードしてインストールします。
http://japan.steinberg.net/jp/support/downloads/elcc.html
PC本体のBIOSや、USBオーディオインターフェイスやMIDIキーボード等の周辺機器のデバイスドライバー、Windows Updateの修正モジュールなども最新をインストールしておくことをおすすめします。
2.
eLicenser Control Centerを起動してアクティベーションコードの入力をします。
3.
CUBASE7.5のインストーラーディスクからインストールします。
ちなみにバージョンアップを申し込んで送られてきたのはアクティベーションコードとHALion Sonic SE2 のインストールディスクのみです。
CUBASE7.5本体はインターネット経由でダウンロードしインストールします。
ロジカルエディターやMIDIインサートプラグインのプリセットがない
C:\Program Files\Steinberg\Cubase 7.5\Presetsのファイルをサブフォルダーごと
C:\Users\ログインユーザー名\AppData\Roaming\Steinberg\Cubase 7.5_64\Presets
にコピーします。
「ファイル名を指定して実行」か「コマンドプロンプト」に次のコマンドを入力し実行すればあっという間に終わります。
xcopy "C:\Program Files\Steinberg\Cubase 7.5\Presets" "%USERPROFILE%\AppData\Roaming\Steinberg\Cubase 7.5_64\Presets" /T /E /I
※「xcopy」から「/I」まで1行で入力してください。
インストールは以上です、以下は新機能(一部)のチェックです。
CUBASE7.5とCUBASE7は共存
CUBASE7がインストール済みのPCにCUBASE7.5をインストールすると、それぞれ使用できます。 7.5で追加されたGrrove Agent SE 4は7でも使えました。6から6.5へのバージョンアップは上書きだったのでちょっと驚きです。
ボカキュー(VOCALOID Editor for CUBASE)は使えるか?
7.5でも ボカキュー は使えました。HALion Sonic SE 2のプログラム(音色)は増えたか?
CUBASE7.5ではHALion Sonic SEがバージョンアップ版「HALion Sonic SE 2」に上書きされます。プログラムの数を比較してみました。
Library Name |
HALion Sonic SE 2
|
HALion Sonic SE
|
Artist |
406 |
406 |
Basic |
185 |
185 |
Hybrid |
300 |
300 |
Pro |
366 |
366 |
Trip |
153 |
0 |
HALion Sonic SE 2のエクスプレッション(アーティキュレーション・奏法のサンプル)は増えたか?
増えてませんでした。前バージョンのHalion Sonic SEの「Sloid Gutar VX」というプログラムには8種類のエクスプレッションがありますが、2でも同じです。 なお、単体製品として「HALion Sonic 2」(SEがつかない)が発売されています。この製品は買ってないのですがマニュアルを見るとエクスプレッションが増えているようです。
「Strat Guitar XXL」というプリセットのスクリーンショットですが、左上赤枠内のEXPRESSIONSを見ると6種類のエクスプレッションが表示されています。
スクロールバーのサイズから推測するとEXPRESSIONSはさらに下に続いており、10種類くらい選べるように見えます。
製品版とは別物のようです。
追加したInstrument SetはHALion Sonic SE 2で使えるか?
過去に「HALion Symphonic Orchestra VST Instrument Set」というHALion Sonic SE用オプションを追加購入しました。このオプションはHALion Sonic SE 2」で使えました。
HALion Sonic SE 2はTripとエフェクターが追加された以外ほとんど変わってないので戸惑うことはありませんでした。
LoopMash FXは何ができる?
CUBASEはだいぶ前のバージョンから「LoopMash 2」というプラグインが付属しています。LoopMash 2はオーディオのサンプルを特定のルールでスライスして並び替えるサンプラーでした。
7.5で追加された「LoopMash FX」はLoopMash 2とは全く異なるエフェクトプラグインです。
オーディオトラックを徐々にピッチダウンするテープストップやダブステップでよく使われる(?)スタッターが簡単に表現できます。
前バージョンまでは同じことをするには、音源をオーディオトラックに変換してピッチエンベロープ処理したりスライスして並べ替えたりと、とても手間がかかりました。
「LoopMash FX」はエフェクトとしてインサートしMIDIやオートメーションで処理できます。
Groove Agent SE 4
現在は販売が終了している製品「Groove Agent 3」はドラム音源でした。CUBASE7.5では「Groove Agent SE 4」というVSTプラグインが付属します。
これは「Groove Agent 3」のようなドラム音源ではなく、前バージョンに付属していたGroove Agent ONEのようなサンプラーです。
Groove Agent SE 4はGroove Agent Oneと共存します。Groove Agent Oneは上書きされません。
プリセットは相変わらずドラム中心です。
個人的には最大の変更箇所だと思ったのが「Mute Gr.(ミュートグループ)」が「Excl」という名前に変わったことです。(どこを探しても見つからないと思ったら名前が違うのだから見つかるはずがありません)
Groove Agent ONEのサンプル編集機能はピッチシフトとフィルター程度でしたが、「Groove Agent SE 4」ではエンベロープをかけたりサンプルを再生する範囲の指定などができるようになりました。
ピッチをランダマイズできるのでトリッキーな音作りができそうです。
その他タイムストレッチできたりエフェクトが内蔵されたりMIDIシーケンスの再生ができたり、と大幅に機能が強化されました。
Instrument (T)rack 2.0 の利便性は?
マルチティンバー音源をパラレルアウトプットで使用するには 「VSTインストゥルメント」を使用するわけですが、は表示が殺風景なうえインストゥルメントと各トラックのつながりが分かりにくいのが難点でした。下の画像は前バージョンのものです。 CUBASE7.5ではトラックの種類にかかわらずプロジェクト内で使用しているVSTインストゥルメントはすべてVSTインストゥルメントウィンドウに表示されるようになりました。
検索機能もついてます。
ピアプロスタジオ のようにマルチアウト(パラレルアウト)のVSTiもインストゥルメントトラックでフルに活用できるようになりました。
設定の手間は相変わらずですが「操作したいトラックがどれだか分からない」ということは少なくなりそうです。
それにしても「出力を有効 (Activate Outputs)」とはCUBASEの難しさを感じる言葉です。マニュアルを読むまでさっぱり分かりませんでした。
「出力を有効」をクリックして設定するとインストゥルメントトラックの2チャンネル目以降の音源が扱えるようになります。
CUBASE7でLoopMash FX、REVelation、Magnet IIを使うには (動作保証外)
CUBASE7 と CUBASE7.5 の両方をインストールておきます。C:\Program Files\Steinberg\Cubase 7.5\VST3
にある
LoopMash FX.vst3
と
Cubase Plug-in Set.vst3
を
C:\Program Files\Steinberg\Cubase 7.5\VST3
にコピーするのですが、後者は同じ名前のファイルが既に存在するので上書きすることになります。不具合があったら戻せるように上書き前のファイルをバックアップしてください。
ファイルコピー後、デバイス - プラグイン情報 を開いて更新ボタンをクリックしてください。
裏技 (動作保証外)
CUBASE7と同様、旧バージョンからアップデートした場合はHALion Oneが、Windows版ならさらにMonologue、Embracer、Tonicが使えます。詳しくは [CUBASE] CUBASE7のインストールとトラブル にて。
他にも沢山の変更点がありました。人それぞれですがバージョンアップして良かったと思ってます。
関連ブログ
[CUBASE] CUBASE7のインストールとトラブル
[CUBASE] CUBASE6のバージョンアップのトラブル
[CUBASE] スペクトルモニターの精度
[CUBASE] 「突然音が出なくなった」を解決する
[Windows] オーディオ再生中にノイズが鳴る
[CUBASE][StudioOne] wavファイルの書き出しは要注意
[VOCALOID][StudioOne] 初音ミクV3とピアプロスタジオ
[VOCALOID][StudioOne] KAITO V3 とピアプロスタジオ
[VOCALOID][CUBASE] ピアプロスタジオ 64bit版
[VOCALOID][CUBASE] VOCALOID Editor for CUBASE(ボカキュー)で何が変わるか?
[VOCALOID Editor for CUBASE] ボーカロイドをMIDIキーボードで入力する
[VOCALOID] CUBASEで「ぼかりす」(VocaListener)っぽいことをする
以上、参考になれば幸いです。
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