2016年5月21日土曜日

[GPGPU] 機械学習で画風を変換する方法 [Machine Learning]

How to install and use the chainer-gogh

2015年9月に公開された画風を変換するアルゴリズム「chainer-gogh」をインストールして使ってみました。
https://github.com/mattya/chainer-gogh
使い方までの手順をまとめてみました。


環境

  • CUDAコア数が48、動作周波数が900HMzのNVIDIAグラフィックスを搭載したノートPC
  • 64bit版 Ubuntu Linux 15.10


CUDA Toolkitが使えるLinux PCを用意する

CUDAはNVIDIA製の一部のグラフィックスに搭載される並列演算に特化した機能です。
CUDA ToolkitはCUDAの機能を利用するための開発環境です。
chainer-goghはCUDA Toolkitを利用すると高速に処理できます。
今回はchainer-goghをCygwinやホストOSがWindowsのVirtualBoxで実行したのですが、このブログを書いている時点ではどちらもCUDA Toolkitが利用できず、画像1枚変換するのに90時間ほどかかりそうでした。

そこでUSBメモリードライブにUbuntu 15.10をインストールして使いました。
blog.fujiu.jp 機械学習で画風を変換する方法


必要な環境をインストールする

Ubuntu 15.10でchainer-goghを使えるようにするまでインストールするものが沢山ありました。
すべて端末からインストールしました。

グラフィックスドライバーをインストールする

システム設定 - ソフトウェアとアップデート - 追加のドライバー
から検証済みのドライバーをインストールしました。

NVIDIA純正のドライバーは
  • インストール時にX Serverを停止する必要がある
  • インストール後にOSが起動しない
などの問題がありました。

また、Ubuntu 16.04では検証済みのドライバーのインストール後にX-Windowでログインできなくなるトラブルがありました。

CUDA Toolkit をインストールする



インストール後は次の環境変数の設定が必要です。~/.bachrc に追記しておくと端末起動時に自動で設定されます。


cuDNNに対応していればインストールする

cuDNNはCUDAの処理を最適化をする機械学習用ライブラリーです。
Accelerated Computing Developer Programにユーザー登録するとダウンロードできます。
cuDNNが使えればchainer-goghの高速化が期待できますが、今回はPCが対応してなかったので使えませんでした。

GCC4.9ををインストールする

Ubuntu 15.10はGCC5がインストールされていますが、ChainerフレームワークのインストールにはGCC4.9が必要でした。


Pythonのライブラリー群をインストールする

下記のコマンドだと不要なものもあるかもしれませんが、必要なものが欠けてると何もできないのでまとめてインストールします。


Chainerフレームワークをインストールする



次のコマンドを実行して何も表示されなければCUDAが使えます。


このコマンドを実行して
ImportError: No module named cupy
と表示されるようならCUDA Toolkitがインストールされてないか環境変数が正しく設定されてません。
CUDA ToolkitがインストールしてChainerフレームワークをインストールをインストールし直してください。

gitをインストールする



chainer-goghと学習モデルをインストールする

学習モデルは作者曰く「お手軽」のものを使いました。


これで必要な環境が揃ったはずです。


使い方

ホームディレクトリに
変換したい画像 input.png
画風スタイルの画像 style.png
がある場合、次のコマンドで変換できます。


処理中はホームディレクトリに img_・・・・.png という画像ファイルが作られます。
im_04950.png が完成です。下が完成の画像です。

所要時間は次の通りでした。
  • CPUのみで推定90時間
  • CUDAで約45分
  • cuDNNは未対応なので検証不可

白地が多い画像は苦手のようです。


トラブルシューティング

実行したらCUDAに対応していなかった (cannot import name core)

CUDAを使わずに実行する


cuDNNをインストールしたらcuDNNに未対応で実行できない (CUDNN_STATUS_ARCH_MISMATCH)

環境変数のcuDNNのパス設定を削除してChainerフレームワークを再インストールする。

Chainerフレームワークを再インストールする方法



GCCを元に戻す方法




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以上、参考になれば幸いです。

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