VOCALOIDはなぜか音量がすごく小さいです。
トークロイド動画を作成の方は音量合わせに苦労されてるのではないでしょうか?
VOCALOID3 Editorではミキサーに追加された「入力ゲイントリム」で音量を大きく上げることができるようになりました。
しかし、上げすぎるとVSTスロット(コンプレッサーなどをインサートする回路)への入力前にクリッピングしてしまいます。
コントロールパラメーターのDYN(ダイナミクス)を上げる方法もありますが、ライブラリーや発音ごとの音量がばらばらなので予期せぬタイミングでクリッピングすることがあります。
クリッピングすると不快なノイズが混ざってしうので、音量を稼ぐために入力ゲイントリムやDYNを上げるべきではありません。
クリッピングしやすい発音がある一方で、巡音ルカのブレス [br1] ~ [br5] のようにミキサーのボリュームを最大にしても聞こえない小さな発音もあります。
VOCALOIDに限らずオーディオデータを聞きやすくするには、クリッピングさせないように音量を持ち上げてやります。
一つの案として、Waveファイルに書出してオーディオ編集用のアプリケーションで加工するといいと思います。
Waveファイルの加工ならVSTホスト機能のない旧VOCALOIDにも対応できます。
Softalk(通称ゆっくりボイス)やVOICEROIDにも適用できます。
オーディオ編集アプリはいろいろありますが、無料のStudio One Freeを試してみました。
Studio One Free
http://studioone.presonus.com/free/
メールアドレスを登録するとダウンロードできます。
リンク先のコンテンツは英語ですが、Studio One Freeはインストーラーからすべて日本語で表示可能です。
1.
VOCALOIDからWaveファイルをエクスポートしておきます。
2.
Studio One Freeを起動し
新規ソングを作成 - 空のソング
を選んで、保存フォルダーを適当に設定します。
3.
メニューの
ソング - ファイルをインポート
でVOCALOIDからエクスポートしたWaveファイルをStudio Oneにインポートします。
波形が表示されれば成功です。
画面下の一番大きい横向きの三角ボタンがスタートボタンです。
スタートボタンをクリックするかスペースキーを押すとオーディオが再生され、音を聞くことができます。
四角いボタンが停止、左側の小さい三角ボタンが巻き戻しや早送りです。
4.
メニューの
オーディオ - オーディオをノーマライズ
を実行すると波形の振幅が大きくなります。
スタートボタンを押して再生すると音が大きくなっているはずです。
ノーマライズだけでも十分聞きやすくなったと思いますが、さらに音量を揃えるためエフェクターを使います。
画面左上の「i」をクリックします。
インスペクター画面が表示されるので、「インサート」の隣の「+」をクリックし、 Channel Stripを選択します。
5.
設定はプリセットを使います。
スクリーンショット赤枠内の一番上の部分をクリックすると、プリセットが表示されます。
今回は、女性VOCALOIDを使ったのでVocals - Famale Vocal1を選びました。
6.
このままだとクリッピングしますが、左側のマウスでGainを-5dB位に調整したらクリッピングを防げました。
7.
加工したオーディオデータはWaveファイルに変換できます。
スクリーンショット赤枠の部分を操作してエクスポートする範囲し、メニューの
ソング - ミックスダウンをエクスポート
を実行します。 効果は?
オーディオデータを画像で見比べてみます。
上 VOCALOIDからエクスポートした波形
中 ノーマライズした波形。振幅が広がっています。
下 ノーマライズ後、Channel Stripで加工した波形
一番下は最初から最後まで音量がそろって聞き取りやすいのですが、歌では不自然に聞こえるかもしれません。
歌の終わりにDYNを徐々に下げたのですが、その部分が台無しになってしまいました。
巡音ルカのブレス[br1] [br2] [br3] [br4] [br5] もノーマライズしてみました。
上 VOCALOIDからエクスポートしたのですが振幅が小さすぎて波形が見えません
下ノーマライズした波形
これで巡音ルカの「ハッ」という息継ぎが聞こえるようになりました。
Studio Oneは作曲・録音用のデジタルオーディオワークステーション(DAW)なので、初めての方にとっては取っつきにくいかもしれません。
しかし、無料で使えるDAWとしては機能が豊富です。「VOCALOIDは持ってるけどDAWは持ってない」という時に役立つと思います。
※1
ブログ公開後に検証したところ-5dBを超えるとクリッピングするのは個人的な環境によるもので、VOCALOID3 Editorの仕様ではありませんでした。
下の画像のように
・VOCALOID3 Editorのミキサーのボリュームフェーダーを5.0以上に設定
・VSTスロットに「W1 Limitter」をインサートしThresholdを-30dBに設定
の条件で「W1 Limitter」のCeillingを-5dB以上に設定した場合にクリッピングが起こります。 訂正するとともにお詫び申し上げます。(2013年1月26日)
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以上、参考になれば幸いです。
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