Hazardous Material Handler
私事で恐縮ですが、乙種危険物取扱の資格を取得しました。実際に試験を受けて効率よく合格できる方法は何だったのかをまとめました。
当ブログの著者の主観が多く含まれている点はご了承ください。
乙4類を楽して合格する方法
4類だけを楽して合格する方法はないのですが、複数の乙種合格を目指すなら「試験科目の一部免除」を利用する方法があります。乙種試験は 法令 15問、化学 10問、性消 10問 の全35問で構成されています。
乙種のどれか一つ以上合格した後、別の乙種を受けるときは法令と化学は免除され性消10問のみので合否判定されます。
この免除制度を利用して最初に性消の問題の難易度が低い乙種に合格し、4類は性消10問のみで受験すると少しだけ楽できます。
下の図は4類以外の性消の難易度を表したものです。
この「いじわる問題」とは試験本番で参考書に載っていないような専門知識がなければ正解出来ない問題とします。
物質の種類が少ない6類や2類はいじわる問題が多く、いじわる問題が少ない3類や5類は物質の種類が多く暗記に苦労するという相関関係です。
そこで狙い目なのは、物質数が多いけど共通性が高く、いじわる問題もほどほどの1類の合格を最初に目指すことです。
ただし、1類だけの参考書はないため参考書を買うなら法令と化学は4類用を、性消は12356類用のものを買って勉強することになります。
わずかな楽をする努力より勉強時間を稼ぐ努力をすることをお勧めします。
1類 6類は早めに覚える
1類と6類は酸化性物質です。一方、2・3・4・5類は酸化性物質に反応して発熱・発火したり可燃ガスを発生するものが多くあります。
参考書は「鉄粉は酸に溶けて水素を発生する」といった書き方をされていることがありますが、実際の試験では次のように出題されます。
次の物質のうち、鉄粉が接触すると水素を発生するものはいくつあるか
A 過塩素酸
B 過酸化水素
C 硝酸
D 酸化マグネシウム
E 十酸化四リン
このような問題は名前に「酸」がつくものを選んだだけでは正解できず、「酸に反応する」ということだけ覚えたのでは不十分です。
1類と6類は早めに覚えておけば2・3・4・5類は正解しやすくなります。
参考書は2冊以上買う
この画像は日本教育訓練センター編・電気書院出版の参考書のアルカリ土類金属の説明です。(取り消し線は当ブログの著者書き足したもの)
ベリリウムとマグネシウムがアルカリ土類金属とされていますが、ベリリウムとマグネシウムはアルカリ土類金属として扱わないことがあります。
この参考書は見出しの「マグネシウムを除く」の文とマグネシウムをアルカリ土類金属とすることが矛盾しています。
別の参考書ではベリリウムとマグネシウムはアルカリ土類金属ではないと説明しています。
試験本番で「アルカリ土類金属として扱わない物質はどれか」という問題が出題された場合、電気書院の参考書だけで勉強していたら正解出来ません。
このように参考書によって説明が異なっていたり不足していることがあるため、1冊の参考書だけでは合格に必要な知識が網羅されてない可能性があります。
当ブログの著者が言える立場ではありませんが、ネット上の個人サイトは間違った内容のまま放置されている情報がもあるのは言わずもがなです。
古本でもいいので参考書は2冊以上買うことをお勧めします。
単語帳は大きめのものを買う
合格するにはたくさんのことを暗記する必要があります。暗記の学習には単語帳が最適だと思います。
単語帳はのに物質名、裏に色・消火方法・特徴といった特徴を書き毎日めくるのがいいと思います。
裏に書く内容ははじめは少なく、学習を進めるうちに追記することが増えると思います。
小さい単語帳では追記が書ききれないことがあるので、最初から大きめの単語帳を用意することをおすすめします。
下の画像は100円ショップで買った単語帳ですが、小さい方を買って後悔して以来大きい方を買ってます。
受験会場によってミスのリスクが異なる
当ブログの著者は危険物の試験は群馬や埼玉で受験したのですが、試験を開催する支部によって受験番号記入済みの回答用紙を渡されることがあります。埼玉で受けた時の回答用紙にはあらかじめ受験番号がスタンプされたものが配布されました。
群馬で受けた時の回答用紙は受験番号はスタンプされず、自分で記入する必要がありました。
乙種を併願する場合、併願した数だけ同じ回答用紙を渡さるので埼玉のように受験番号がスタンプ済みならミスするリスクが少しだけ減ります。
※ 問題冊子を返却しなかった受験番号は失格になるため、埼玉の回答用紙は問題冊子の返却漏れを発見しやすくするための措置だと思います。
いじわる問題
当ブログの著者が試験本番で出題され、手持ちの参考書に載っていなかったいじわるな性消の問題を列挙します。いずれも中学化学や高校化学の範囲と思われます。
- 化学反応による危険物の色の変化を問うもの
- 危険物と危険物以外の物質との化学反応を問うもの (二酸化マンガンと反応して酸素を発生するものはどれか、など)
- 乾燥炭酸ナトリウム (炭酸ナトリウム過酸化水素付加物は1類の物質だが、2類の選択肢に乾燥炭酸ナトリウムが出題された)
- 「白金るつぼ」 (酸に腐食される代表的なものなので覚えておくべき)
この資格を取っても役に立ったことは一度もなく受験料から免状発行の手数料までお金がかかりますが、学校以外で化学の勉強をする機会になりました。
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