VOCALOD4 Editor for CUBASEを使ってみました。
2013年に発売された旧バージョンのボカキューと区別するため新バージョンは「V4版ボカキュー」、旧バージョンは「旧ボカキュー」と表記します。
環境
・64bit版 Windows8.1・64bit版 CUBASE Pro 8
「VOCALOID4 Editor」とV4版ボカキューの違い
「VOCALOID4 Editor」はスタンドアローンでボーカロイドを歌わせるソフトです。Windows専用です。V4版ボカキューはCUBASEの拡張機能としてボーカロイドを歌わせるソフトです。V4版ボカキューはWindowsとMacの両対応です。
パッケージで販売されているV4版ボカキューにはCUBASE AI7が付属します。
CUBASE AI7は使いこなすまでに覚えることが多いのですが、「VOCALOID4 Editor」よりオーディオトラックやVSTエフェクトなどを多く扱えます。
どれを買えばいいか迷ったらパッケージで販売されているV4版ボカキューがお勧めです。
パッケージ版とダウンロード版の違い
今回はダウンロード版のV4版ボカキューを購入しました。ダウンロード版はCUBAEL AI7とV2 Library Import Toolが付属しません。
V2 Library Import Toolは過去に発売されたVOCALOID2をボカキューで使えるようにするためのツールです。
VOCALOID3 Editorや旧ボカキューにも付属するのですが、これらを持っていない人がダウンロード版のV4版ボカキューを買うとVOCALOID2のインポートが出来ません。
CUBASEや旧ボカキューを持ってない場合は高くてもパッケージ版を買った方が後悔が少ないと思います。
V4版ボカキューをインストールしたのに旧ボカキューが立ち上がる
今までボカキューを開くショートカットキーを設定していたのですが、V4版ボカキューをインストールしたのに旧ボカキューが立ち上がってしまいました。CUBASEの中では旧ボカキューとV4版ボカキューを開くコマンドは別です。
ショートカットキーを「VOCALOID4エディターを開く」に設定し直したらV4版ボカキューが開くようになりました。
V4版ボカキューと旧ボカキューは別のインストゥルメントとして扱われる
V4版ボカキューと旧ボカキューは別のインストゥルメントとして扱われるようです。V4版ボカキューをインストール後に旧ボカキューをアンインストールしたりディアクティベートすると、旧ボカキューで作ったトラックは音が出なくなってしまいます。
インスペクターのインストゥルメント欄で確認できます。
Job Pluginは使えるか?
すべて試したわけではありませんが、使えるようです。Parameter Smootherはコントロールパラメーターの曲線を滑らかに捨てくれるプラグインですが、現在公開されているバージョンではXSYやGWLには対応しません。
luaファイルの保存場所は
C:\Program Files\VOCALOID4 Editor for Cubase\JobPlugins
です。
初音ミクは使えるか?
おそらく一番人気であろう初音ミクV3は無事に歌いました。VOCALOID2は使えるか?
VOCALOID3 Editor付属のライブラリーインポートツールでインポートした鏡音リンレンを使ったところ無事に歌いました。CUBASE LE 7で使えるか?
CUBASE LE 7.0.7で試したところ動作しました。クロスシンセシスの使い方
クロスシンセシスを使うにはクロスシンセシス対応の歌手(ボーカロイドライブラリー)が必要です。初音ミクV3、MEIKO V3、KAITO V3、メグッポイドV3、Lily V3などが対応しているようです。
そしてクロスシンセシス出来るのは同じ歌手に限ります。
たとえばKAITO_V3_SoftとKAITO_V3_Whisperは同じ歌手なのでクロスシンセ出来ます。
MEIKO_V3_DarkとMEIKO_V3_Whisperもクロスシンセシス出来ます。
ですが、KAITO_V3_SoftとMEIKO_V3_Darkは歌手が違うのでクロスシンセシス出来ません。
さらに同じ歌手でもKAITO_V3_SoftとKAITO_V3_Englishのように日本語と英語の組み合わせはクロスシンセシス出来ません。
また、VOCALOID2世代の鏡音リン・鏡音レンはACT2やアペンドなど複数の歌手が発売されてますがクロスシンセシス出来ません。
今回は初音ミクV3をクロスシンセシスさせてみました。
画面右上の方にある歯車のボタンをクリックしてシンガーエディターを開きます。
シンガーエディターで追加ボタンを押して、名前を入力してプライマリーシンガーとセカンダリーシンガー選んでOKをクリックします。
アクティブシンガーをダブルクリックしてセカンダリシンガーを編集することもできます。
今回は名前を「MIKU_V3_Sweet_Solid」にしました。
V4版ボカキューのインストルメントのSINGERに先ほど追加した名前が追加されているので選択します。
シンガーエディターを追加した後はV4版ボカキューをインサートし直す必要があります。
ボカキュートラックのインスペクターのインストゥルメントを「No VST Instrument」を選んで「VOCALOID4 Inst」を選び直します。
コントロールパラメータエリアのEditをXSYにするとプライマリーシンガーとセカンダリーシンガーが表示されます。
後は鉛筆ツールなどでプライマリーシンガーとセカンダリーシンガーのクロス量を指定します。
この機能は非常に魅力的ですが、じっくり使いこんでベストな組み合わせを見つけるのが大変そうです。
VOCALOID4のパラメーターとMIDI CCの関係
VOCALODにはDYNやGENなどのパラメーターがありますが、VEL(ベロシティー)とOPE(オープニング)以外はキーエディターのコントロールチェンジ(CC)で設定できます。ロジカルエディターで編集するときCCを探すのに苦労するし、VOCALOID4ではパラメーターが増えたのでまとめてみました。
ボカキュー | 読み | CUBASE |
---|---|---|
VEL | ベロシティー | ノートの値2 |
DYN | ダイナミクス | CC 11 |
BRE | ブレシネス | CC 17 |
BRI | ブライトネス | CC 74 |
CLE | クリアネス | CC 18 |
GEN | ジェンダーファクター | CC 19 |
POR | ポルタメントタイミング | CC 5 |
XSY | クロスシンセシス | CC 81 |
GWL | グロウル | CC 82 |
PIT | ピッチベンド | ピッチベンド |
PBS | ピッチベンドセシビティー | CC 80 |
OPE(オープニング)だけは不明でした。リストエディターでもMIDI Monitorでも見当たりません。
まとめ
ピッチレンダリングを表示するには毎回クリックする必要がありますが、音程を外しているところを探しやすくなりました。POR(ポルタメント)の変化が目で見られるようになったのはいいですね。
MIDIリアルタイム入力はMIDIキーボードで入力するときにはユーザーにはありがたい機能です。
VOCALOID4世代のグロウルという新機能はVY1V4や巡音ルカV4Xが無ければ全く利用できないので今買っても意味が無いと思ってました。
ですが実際に使ってみると
・クロスシンセシス
・ピッチレンダリング
・MIDIリアルタイム入力
は大きな進化でした。
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以上、参考になれば幸いです。
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